お腹のご相談

おなかが調子が悪くて毎日を過ごされている方は、とても数多くおられます。お腹が痛い、便秘、下痢、吐き気、ガスがたまる、食欲がない、食事がおいしくない、など本当に書ききれないほどの症状をもたれています。また、体調がくずれたり、心が乱れただけでもすぐにおなかに症状が現れます。 原因を追究し、正しく診断し、きちんと治療を行うことが何より大事なのですが、これまで患者さんを診てきて切実に思うのは、これだけでは十分ではないということです。少しでもおなかのことで、困っておられる方がおられましたら、遠慮なく気軽に何でもお話しできるものでありたいといつも思っています。患者さんに寄り添いながら、一緒に歩んでいきたいと強く思っています。

便秘と下痢

クリニックを開院して、実感したことは、便秘や下痢といったことで悩まれている患者さんが実に多いということです。しかも、最近起こったばかりの便秘や下痢ならならまだしも、本当に長い年月にわたって悩まれており、相当の薬を使われてこられた患者さんが、とても多いということです。これは、相当に手ごわいですが、それゆえにとてもやりがいを感じています。私にとって、癌(がん)や痔などとともに今後の最も大きな課題と考えています。
患者さんに寄り添いながら、持てる力を総動員してあらゆる努力をしていきたいと思っています。自然な排便が、いかに日常生活を快適なものにするかということを真剣に考えています。一緒に歩んでまいりましょう。

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便秘外来について

便秘とは

便秘というと、数日間排便がないことだと思われていることが多いのですが、そうではありません。便意があってトイレに行き、軽くいきんで楽に排便できて、あとはスッキリしていたら、それが数日ぶりの排便でも便秘ではないのです。逆に、便意がないのにトイレに行って頑張らないと出ない場合は、毎日排便があっても便秘です。そして無理にいきむことは肛門への負担がとても大きく、痔などの疾病の原因になりますので注意が必要です。

便秘の原因

食物繊維の不足、疾病やその治療薬によるもの、環境の変化やストレスなど、便秘の原因はさまざまです。そして、特に多いのは、便意をガマンすることを繰り返しているうちに、便意を感じなくなっていまって、結果的に便秘になっているケースです。さらに、市販の下剤を使い続けるうちに効果が薄れて増量するということを繰り返しして悪化させる場合もよくあります。

便秘の種類

急に便秘になった場合

病気による急性の便秘

病気によって急に便秘の症状が起こった場合、腸捻転や腸閉塞の可能性があります。激しい腹痛や吐き気があったら、できるだけ早く受診する必要があります。

その他を原因とする急性の便秘

食生活や環境などの変化にともなって便秘の症状が現れた場合には、食生活改善やストレス解消などによって便秘を解消することができます。女性の場合、ダイエットが原因になって便秘が起こることがよくありますので、食物繊維が多く、バランスのいいメニューを工夫しましょう。

慢性的な便秘

病気による慢性的な便秘

病気によって起こっている場合、大腸がんや大腸ポリープ、そして他の臓器の病気の可能性があります。またうつ病の症状として便秘が現れることもあります。

腸の働きが低下していることによる慢性的な便秘

弛緩性便秘

結腸の緊張が緩み蠕動が弱くなることで、便を十分に押し出せなくなっています。病後など身体が弱っている方や高齢者、内臓下垂の方、多産婦などに起こりやすい便秘です。

直腸性便秘

便意を我慢することを繰り返すことで直腸の神経が鈍くなり、便意を感じる排便反射が起こりにくく、あるいは起こらなくなります。病後など身体が弱っている方、高齢者に起こりやすく、浣腸を日常的に行っている場合にもなりやすい便秘です。

痙攣性便秘

大腸の蠕動運動が強過ぎることで腸が痙攣を起こして便の通過を妨げている便秘です。ストレスが原因となっている場合が多く、便秘と下痢を交互に繰り返す過敏性腸症候群の症状のひとつです。

便秘外来での治療

初診

特に予約の必要はありません。
ご来院の際には、浣腸などをせずにいらしてください。
お薬を飲んでいる方は、お薬を持って来ていただくか、お薬手帳をお持ちください。
受付に「便秘外来」でいらしたことをお伝えください。
問診票にご記入いただきますが、わからないことがあったら受付にお声掛けください。

診療

問診票に基づいてお話をうかがって、肛門指診、肛門鏡診、直腸鏡診、腹部診察を行います。

検査

必要があれば腹部レントゲン撮影を行います。また、大腸の病気が疑われる場合には、大腸内視鏡検査を別日に行います。

診療方針決定 診察や検査の結果をもとに病態について説明し、患者さんと相談しながら診療方針を決めていきます。あわせて、生活習慣改善のアドバイスなどを行います。

処置

直腸に便がたまっている場合には、摘便や浣腸の処置を行います。

投薬

薬で改善が期待できる場合には、しばらく服用を続けていただき、次回の来院時に結果をうかがってその後の診療方針を決めます。

日常生活の注意点(便秘)

食生活の改善

食物繊維の摂取

便の量を増やして排便をスムーズにする食物繊維を多く含んだ食事を心がけます。外食などの際には食物繊維を豊富に含んだ副菜も一緒に摂るようにしましょう。

規則正しい食事

毎日の食事をある程度決まった時間に摂ることで、身体のリズムが整ってきます。

朝食を必ず摂る

朝起きてから、朝食を食べると腸が蠕動をはじめ、便意につながります。朝食を抜く生活を続けていると、自律神経の働きも鈍ってきて、便秘が慢性化してしまいます。

水分をたっぷり摂る

水分が少ない便は硬くなり、排便に苦痛がともなうようになります。それでトイレに行くことが億劫になり、その繰り返しが頑固な便秘につながります。食物繊維が多い食事を摂っていても、水分が少ないと硬く出しにくい便になってしまいます。
食事中の水分は大腸に届きやすいのですが、それ以外の水分は小腸で吸収されやすいため、大腸まで届きやすいスポーツドリンクを飲むようにしましょう。習慣的にカロリーの高いスポーツドリンクを飲むと糖尿病になる危険性がありますので、カロリーオフのものを選んでください。

その他の生活習慣改善

便意があったらすぐトイレに

便意があってもトイレに行かないで我慢してしまうと便意はなくなってしまいます。その繰り返しで頑固な便秘になりますので、便意があったらすぐにトイレに行くようにしましょう。
朝食を摂った後は自然な便意が起こりやすい時間です。朝は時間に余裕を持って過ごすようにしてください。

ストレスを上手に解消

胃腸の働きをコントロールしている自律神経は精神状態に影響を受けやすいため、ストレスによって腸の働きが鈍ってしまうことはよくあります。腸内の便がスムーズに動かなくなって排泄に時間がかかって便秘になるケースもありますので、ストレスを上手に発散するように心がけましょう。

適度な運動

身体を動かすことで、内臓の動きも活発になります。逆に身体を動かさないと腸の動きも鈍くなって、便秘になりやすくなります。ひと駅分だけ歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、日常的に歩く量を少し増やしてみるのは手軽で効果的です。

女性が便秘になりやすい周期

女性は黄体ホルモンが大腸の蠕動を抑制するため、周期的に便秘になりやすい時期があります。卵巣から黄体ホルモンが分泌されるのは、排卵から月経までの時期ですので、その間は特に食物繊維豊富な食事や摂取する水分量に注意して過ごしてください。また、ダイエットをしていると食事量全体が少なくなる傾向があり、便秘になりやすいので注意しましょう。

高齢者は特に注意を

食事量の減少、筋力低下、運動不足などにより、それまで便通に問題がなかった方が高齢になってから便秘になるケースが多くなっています。

薬による便秘

薬によっては、便秘になりやすくなる副作用を持ったものがあります。高血圧治療に使われる神経遮断剤、抗うつ剤や向精神薬、モルヒネ、鎮咳剤、腸の鎮痙剤、利尿剤などは便秘になりやすい副作用を持っています。そうした副作用を起こさないために、軟便剤や緩下剤を的確に服用することが必要です。

下痢外来について

下痢とは

水分量の多い便を頻回に来す状態が下痢と定義されており、急激に発症して2週間以内に治まる「急性下痢」と、4週間以上持続する「慢性下痢」があります。急性下痢はウイルスや細菌による感染性胃腸炎がほとんどです。 下痢外来では、主に慢性下痢の診療を行っています。

下痢の原因

慢性下痢のほとんどは、過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome: IBS アイビーエス)によるものです。他に、炎症性腸疾患や大腸がんも見られます。小腸や膵臓の疾患によるもの、甲状腺異常といった内科疾患によるもの、アルコールの摂取量が多いことによるものなどもあります。

下痢外来での治療

初診

特に予約の必要はありません。
お薬を飲んでいる方は、お薬を持って来ていただくか、お薬手帳をお持ちください。
受付に「下痢外来」でいらしたことをお伝えください。
問診票にご記入いただきますが、わからないことがあったら受付にお声掛けください。

問診

問診票をもとに、下痢の状態や回数、腹痛、食事内容などをうかがいます。生活習慣なども大きく関わっているため、しっかりとお話をうかがうことを重視しています。

検査

問診の結果、診断に必要な検査についてお話し、ご納得いただいてから検査を行います。
血液検査:内科疾患や内臓機能について調べる検査です。
腹部レントゲン・エコー(超音波)検査:腸管を含め、内臓の状態を調べる検査です。
便培養:腸内細菌に増殖が原因でないかを調べる検査です。
大腸カメラ:粘膜の状態を直接観察して、がんや炎症性の疾患といった病気がないか調べる検査です。

診療方針決定

下痢の原因となっている病気が見つかった場合には、その病気の治療を行います。炎症性の腸疾患は生涯に渡って治療を続けていく必要があるため、専門医としての知識や技術を元に、患者さんの生活にできるだけ支障がないよう適切な治療方法をご提案していきます。

原因がストレスや生活習慣にあると思われる場合には、お一人おひとりの体質やライフスタイルに合わせた治療法をご提案し、相談の上で診療方針を決定します。生活習慣のアドバイスなどもきめ細かく行っています。

投薬

症状や原因が似ていても、患者さんに合う薬が異なる場合はよくあります。どの薬が効果的かを見極めながら処方し、経過を観察して患者さんによりよい治療を行っていきます。便の状態や腹痛が起こっている場所により、薬を組み合わせて処方します。また、腸内細菌のバランスを改善する整腸剤や、体質改善を目指す漢方治療、不安感を取り除く投薬を行う場合もあります。

日常生活の注意点(下痢)

アルコールを摂り過ぎると下痢になりやすいので、適量を守りましょう。香辛料が多く使われていたり、油脂分の多い食べ物を摂り過ぎないようにしましょう。おなかを冷やさないよう注意しましょう。寝ている時に暑くなって寝具をはいでしまうことが多々ある場合には、おなかをしっかりカバーしてくれるパジャマなどを着るようにしてください。また冷たいものを摂り過ぎるのもやめましょう。
運動は腸の調子を整える効果があり、ストレス解消にもつながります。楽しめる範囲で運動するよう心がけましょう。