胸焼けとは、胃酸が逆流することで食道が刺激されたり、炎症を起こしたりすることで起こります。何となく胸のあたりがムカムカしたり、口内が酸っぱくなる不快な呑酸を感じたりします。日頃から、胃酸の逆流を起こさないことが大切です。

胸焼けの原因

食生活の乱れ

食べ過ぎや飲み過ぎなど暴飲暴食といわれるような食事は胃に大きな負担をかけ、胃酸の分泌が過多になって食道に逆流し、みぞおちあたりに胸焼けを感じたりすることがあります。 アルコールの過剰摂取やタバコ、香辛料など刺激物の過剰摂取なども、胃酸の逆流を促すことがあります。

加齢、肥満による筋力の低下

食道は上部括約筋、下部括約筋でできた25cmほどの管です。食べ物が入ってきたとき括約筋の蠕動運動で食物を胃に送り込みます。下部括約筋が胃の入り口である噴門を締めていて食物の逆流を防いでいます。加齢で筋力が落ちて噴門を閉じている力が弱くなって、胃から胃酸が逆流し、胸焼けを起こすことがあります。また、肥満によって食道や胃の筋肉が緩んでいたりすると、腹圧がかかった際などに胃酸が逆流して胸焼けを起こすことがあります。

長時間屈んだり寝転んだりする姿勢が続く

胃酸の逆流を起こしやすい姿勢、それは前屈みになったり食後に横になったりして、食道と胃の上下の位置関係が逆転ないしはそれに近い関係になる姿勢です。屈み込んでの草むしりとか床掃除、大工仕事などのときには逆流が起きやすく、胸焼けを引き起こしやすくなります。 就寝前に食事をしたりすると、胃酸の分泌が盛んになった時に横になることになるので、胃酸が逆流しやすく胸焼けを引き起こしやすくなります。

ストレスによる自律神経の乱れ

ストレスを感じると自律神経が乱れてバランスが崩れます。自律神経は胃や十二指腸の働きを支配しています。自律神経が乱れると、胃酸の分泌が過剰になったりして食道へ逆流しやすくなり、胸焼けの原因となります。

ピロリ菌による胃のダメージ

慢性胃炎や十二指腸潰瘍の患者さんのほとんどがピロリ菌に感染しているといわれています。ピロリ菌によって粘膜を傷つけられた胃は慢性の炎症を抱えた状態になり、胃酸の逆流などが起きて胸焼けを引き起こしたり、胃もたれ、吐き気などの症状を呈したりすることがあります。 ピロリ菌による炎症が慢性化すると萎縮性胃炎となり、やがて胃がんへと進行すると考えられています。 胃カメラとピロリ菌について >

胸焼けを伴う病気

胃食道逆流症(GERD)、逆流性食道炎

胃食道逆流症は、胃酸が食道へ逆流する症状が出ます。暴飲暴食や、加齢、肥満などで胃酸が逆流しやすくなった状態で、胸焼けや、のどや胸のつかえ、呑酸などが起こります。 逆流性食道炎は、胃食道逆流症に食道の炎症が加わった状態です。食道には胃酸から粘膜を守る機構は備えられていません。胃液が逆流して強い酸である胃酸やタンパク質分解酵素にさらされると粘膜が傷つけられ、ただれたり潰瘍ができたりします。

慢性胃炎

炎症が繰り返されて胃の粘膜が弱って、治りにくくなっている状態です。慢性胃炎の原因の8割はピロリ菌だといわれています。胃痛、胃もたれ、吐き気を感じたりします。空腹時に胸焼け、食後にむかつきを感じることがあります。自覚症状がほとんど現れないケースもありますが、放置しておくと胃潰瘍に進行することがあります。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

ストレスやピロリ菌、ステロイド薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤などによって胃や十二指腸の粘膜が傷ついて、強い胃酸や消化酵素よって粘膜表面や筋層組織が消化されてしまう病気です。粘膜を守る作用と胃酸などの消化作用のバランスが崩れることで起こります。食事をするとみぞおち周辺にズキズキとした重苦しい痛みを感じ、胸焼け、胃もたれなどを感じます。 胃カメラについて詳しくは > 胃カメラ前日の食事 > 胃カメラ検査までの流れ >

日常生活でできる予防法

規則正しい食事を心がける

胃に負担をかけない食事を心がけましょう。脂っこいものばかり食べない、よく噛んで食べる、腹八分目を心がけるなどです。また、不規則な食事は胃に大きな負担がかかります。とくに、就寝前などに食事をすると、胃酸の分泌が盛んになった時に横になることになるので、胃酸が逆流しやすく胸焼けを引き起こしやすくなります。強いアルコール、タバコは胃の働きを低下させたり、胃酸の分泌を過剰にしたりしますので、できるだけ控えましょう。

食後に休憩を

消化に血液を回すことが大事だということを認識しましょう。そして、食後30分は休憩時間と決めて仕事や外出、入浴などしないよう習慣づけるようにしてください。てきぱき動くことが美徳とされていますが、食後は胃にてきぱきと消化作業をさせてください。ただし、食後に横になることは胃酸の逆流にとっては逆効果です。横になることは控えましょう。

ピロリ菌の除菌

ピロリ菌は、胃粘膜に感染して慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、などさまざまな病気の原因となるといわれています。日本人は先進国の中ではピロリ感染者が多いといわれています。胃の疾患や胃がんの予防を行うためにもピロリ菌感染の有無を調べておくことは大切です。ピロリ菌の感染検査は内視鏡を使うもの、血中の抗体を調べるもの、試薬を服用して呼気を調べるものなどいくつかの方法があります。具体的な方法については医療機関にお尋ねください。ピロリ菌が見つかった場合、抗菌薬を7日間ほど服用することで除菌することができます。 胃カメラとピロリ菌について >

胸焼けの対処法

お腹を締めすぎない

胃を圧迫すると胃酸が逆流しやすくなりますので、できるだけベルトや帯、コルセットなどはきつく締めないようにしましょう。 妊娠中は胃が圧迫されるのでお腹を圧迫しない姿勢を取るように心がけましょう。食事は小分けにして回数を増やすなどの工夫も有効です。

療機関を受診しましょう

食生活の乱れや加齢、作業や就寝時の姿勢などが原因で胸焼けが出ることはさほど珍しいことではないかもしれません。ただ、胸焼けが続いている、慢性化しているという場合には、食道や胃、十二指腸に疾患が隠れていることもあります。まずは医療機関を受診して医師の診断を受けてください。 消化器疾患について詳しくは >